多くの家庭が今も使い続けているこの家電――実は危険になる可能性がある

2026年1月6日

押し入れから毎年引っぱり出す、あの涼の相棒。実は、長年使い続けた「古い扇風機」には、見えないリスクが潜んでいる。見た目がキレイでも、内部の部品は確実に劣化し、ある日突然発煙発火につながることがある。ある電気工事士はこう言う――「使えている=安全ではない、が現場の実感です」。

見慣れた家電が危険に変わる理由

扇風機の心臓部であるモーターや、回転を助けるコンデンサーは、年数とともに性能が落ちる。絶縁材は乾燥し、配線の被覆は硬化する。そこへホコリが蓄積すると、微小な放電が起き、気づかないうちに焦げが進む。「焦げ臭いにおいに気づいた時点で、すでに故障は一歩進んでいる」と、家電修理の担当者は話す。

危険サインを見逃さない

以下のような症状が出たら、使用を中止して点検や買い替えを考えたい。

  • プラグやコードが熱い、触ると柔らかく変形
  • 回転が不安定、異音やときどき唸り
  • 風量が落ちて弱い、首振りがぎくしゃく動作
  • 本体や羽根が黄ばみ、焦げたような臭い
  • 収納中にカビやサビ、コードがひび割れ

小さな違和感ほど要注意で、使用を続けるほど危険は増す。

掃除と点検の勘どころ

まずはコンセントを抜いてから、ガードや羽根のホコリを掃除し、モーター周辺の吸気口を清掃する。綿ボコリは発火の燃料になるため、ブラシと掃除機で念入りに取り除く。扇風機への注油は機種によって可否が異なり、誤ると逆に故障の原因になる。「迷ったら分解しない、が基本」と修理の現場は言う。プラグの刃に変色があれば交換、タップの多重差しは避ける。

買い替えの目安と選び方

多くの家電には「設計上の標準使用期間」の考え方があり、扇風機は概ね7~10年が目安とされる。年式不明や、親からのお下がりなら、思い切って更新を検討したい。新しく選ぶなら、以下の安全装置がポイントだ。温度ヒューズ、転倒OFF機構、二重絶縁、異常時の自動停止。購入後は取扱説明書を読み、初期不良のチェックを忘れない。型番でリコール有無を検索する習慣も有効だ。

使い方で差が出る「燃やさない」習慣

カーテンや紙類から十分な距離を確保し、床の延長コードを踏みつけないレイアウトにする。使わない時は電源を切り、可能ならプラグを抜く。長時間のつけっぱなしは避け、タイマー機能で管理する。濡れた手での操作は厳禁、浴室や屋外の多湿環境では使わない。タップの連結や大容量家電との併用は過負荷になりやすい。

もし異常を感じたら

焦げたにおい、煙、異常なを感じたら、すぐに電源を切ってプラグを抜く。可能なら窓を開け、再通電は絶対にしない。症状が軽くても「様子見」は禁物で、修理か廃棄の判断を急ぐ。自治体の回収ルールに従い、むやみに分解しないこと。

「もったいない」を安全に変える

長く大切に使うことは美徳だが、電気製品には寿命がある。命を脅かすのは「まだ動くから大丈夫」という思い込みだ。専門家はこう助言する――「安全への投資は、最も費用対効果が高い節約です」。季節が変わる前に点検し、迷ったら更新する。家族のそばで回るその一台を、今年こそ安全仕様にアップデートしよう。

山本 翔太
山本 翔太
フィットネスと格闘技を愛するスポーツライター。大学でスポーツ科学を専攻し、国内外のアスリート取材を通じて「挑戦する心」をテーマに記事を執筆。APFでは、トレーニングとメンタルの両面からパフォーマンスを掘り下げています。

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